仕事に役立つから、という理由だけではなく、もう一度じっくり学びたいことがある。週末には本を開こうと思うのに、家事と用事を終えると夜になっている。「来週こそ」と閉じた本が、そのまま机に置かれている。

こんなとき、意志の弱さを反省する前に、見ておきたいことがあります。その学びは、今の暮らしのどこに入ることになっているでしょうか。

仕事・人間関係・毎日の過ごし方を見直す12の視点では、望む生き方と日々の選択をつなげて考えています。今回は、続けたいことが暮らしの中に居場所を持つ、という話です。

頑張っても満たされない人へ。仕事・人間関係・毎日の過ごし方を見直す12の視点プロコーチジャパン · 読みもの


大切なことほど、空き時間だけでは残りにくい


締切のある仕事や、誰かと約束した用事には、予定表に場所があります。一方、自分のための学びには締切がなく、待っている相手もいません。大切ではないから後回しになるのではなく、後回しにしても、その場では誰も困らないのです。

「時間ができたら」という考え方では、ほかの用事が終わった後にだけ、その望みが登場します。日々の予定がすでにいっぱいなら、望みが入る余地はなかなか生まれません。

何を大切にしたいかは、頭の中の優先順位だけでなく、実際の時間の使い方にも表れます。

ただし、予定に入れればすべて解決するわけではありません。育児や介護、不規則な仕事など、自分だけでは動かせない事情もあります。自由な時間を持てないことを、その人の覚悟の足りなさに結びつけないことも大切です。

だからこそ、理想の毎日を先に決めて自分を当てはめるより、今の暮らしの条件と、そこに入れたい望みを一緒に見る必要があります。

時間があっても、始めにくい場所がある

ようやく時間ができても、テーブルに家族の荷物が広がっていて、本を開くまでに片づけが必要なことがあります。スマートフォンに仕事の通知が届き、読み始めた途端に返信へ戻ってしまうこともあるでしょう。

これは、学ぶ気持ちの強さだけでは説明できません。その場所が、何をするための場所になっているかも関わっています。

同じ三十分でも、急な用事に応じながら読む時間と、いったんその場を離れて読む時間では、経験が違います。立派な書斎を用意する必要はありません。大切なのは、望むことを始めるたびに、別の役目と競争し続ける状態になっていないか、という見方です。

身の回りを整えるのも、物を減らすこと自体が目的ではありません。自分が過ごしたい時間を、実際に過ごせるようにするためです。見た目が整っていても、いつも仕事へ引き戻されるなら、その望みに合った場所とは言い切れないのです。

自分の習慣は、周りの人の暮らしともつながっている

土曜の朝を学びの時間にすると決めたとしても、家族がそれを知らず、いつもどおり用事を頼むかもしれません。そこで「せっかく決めたのに邪魔された」と感じても、相手には急に対応が変わったように見えます。

自分の時間をつくることは、周りの人との約束を組み直すことでもあります。これまで自分がしていたことを誰が担うのか。相手にも一人で過ごしたい時間はないのか。自分の望みと相手の事情は、同じ生活の中にあります。

また、一緒に学ぶ人がいることで、学びが単なる課題ではなく、人と会う楽しみになる場合もあります。逆に、毎回成果を報告することが負担になる人もいるでしょう。人との関わりを使って自分を追い込むのではなく、その関わりの中でどう過ごしたいかが大切です。

時間、場所、人との関わりは、別々の工夫ではありません。一つを変えると、ほかにも影響します。続けたいことだけを切り取らず、それを含む暮らしとして考えたいのです。

続けることより、その時間でどう生きたいか

毎日できていたことが、忙しい週に途切れる。そこで「また失敗した」と終わらせると、続いた日数が目的になってしまいます。

本来欲しかったのは、連続記録でしょうか。それとも、新しいことに触れて視野が広がる時間でしょうか。後者なら、生活が変わったときに形を変えることも、その望みを大切にする選択です。

もちろん、形を変え続ければ必ず続くという話ではありません。そもそも今の方法が、求める経験に合っていないこともあります。続かないときに、意志の強さより先に確かめたいことは、この違いを考える助けになります。

続かないのは、意志が弱いから? プロコーチが最初に確かめることプロコーチジャパン · 読みもの

続けたいことを暮らしに置くのは、自分を管理するためだけではなく、自分が望む時間を実際に生きるためです。

予定表がいっぱいでも、その中に自分が大切にしたい時間が一つもないなら、そこには見直す余地があります。何を増やすかだけでなく、どんな暮らしを育てたいか。その思いと日常を結び直すことが、習慣を考える出発点になります。

理解したことを自分の生活につなげていきたい方へ。プロコーチジャパンでは、対話と実践を通じて、自分に合う生き方を学ぶ講座を用意しています。

望む生き方を、日々の過ごし方につなげる学びへ