「ちゃんと振り返っている」「反省もしている」「自分なりに原因も分析している」。それなのに、なかなか行動が変わらない。
仕事がうまくいかなかった理由は説明できる。でも、次も同じところでつまずいてしまう。そんなとき、さらに深く分析すれば答えが出るのだろうかと、考え続けてしまうことがあります。
私はまず、「そもそも、何のために振り返っているのか?」と問い直してみることが大切だと思っています。
振り返ることが、目的になっていないか

反省することで安心したいのか。自分を納得させたいのか。失敗した理由を説明したいのか。それとも、本当に次の結果を変えたいのか。
ここには、大きな違いがあります。振り返りの時間を取り、反省点を書き出したとしても、それだけで次の行動が決まるわけではありません。
たとえば、会議で必要なことを決められなかったとします。「準備不足だった」「もっと説明すればよかった」と書いて、振り返りを終える。そのとき、何が不足していたかは言葉になっていても、次にすることはまだ曖昧かもしれません。
次の会議で判断できる状態をつくりたいのであれば、何を決める会議なのかを事前に伝える、判断に必要な情報をそろえる、参加者の疑問を先に聞く、といった行動を考えられます。
これは一つの例ですが、「反省を終える」と「次の結果を変える」では、振り返りの着地点が違います。まず、自分がどちらへ向かっているのかを確かめたいのです。
今、考えているのか。それとも悩んでいるのか

もう一つ、自分に問いかけてみたいのが、「私は今、考えているのか。それとも悩んでいるのか?」という問いです。
同じことを何度も頭の中でぐるぐるさせている状態を、「考えている」と捉えていることがあります。しかし、私の中では、この二つは違います。
悩むことは、同じ場所をぐるぐる回り続けること。考えることは、次の一歩を見つけるために思考を使うことです。
だから、振り返った後には、「では、次に何をするのか?」まで辿り着くことが大切なのだと思います。
先ほどの会議の例なら、「次は気をつけよう」で止まらず、「次回の案内を送るときに、決めたいことを一文で添える」と、実際の場面まで思い描いてみる。すると、同じ失敗について考え続ける状態から、次に試す行動へ目を向けられます。
原因を理解することは大切です。その理解を使って、何を変えるのか。振り返りの最後に、その問いを残したいと思います。
アカウンタブルは、成し遂げる責任を引き受けること

私はコーチングの中で、「アカウンタブル」という言葉をよく使います。
責任というと、「失敗したら責任を取る」という話を思い浮かべるかもしれません。けれど、私が考えるアカウンタブルは、単にそのことではありません。
その事象を主体的に成し遂げるための責任を、自ら引き受けている状態。
「できなかったら仕方がない」ではなく、「なんとしてでも実現する」という決心のもとで、そのことに向き合っているかどうかです。
そう考えると、振り返りの質も変わってきます。できなかった理由を説明したところで終わらず、実現するために次は何が必要なのか、どんな働きかけができるのかを考えることになります。
以前、「こうなりたい」と「やると決める」の違いについてお話ししました。振り返りにも、変わりたいという思いと、そのために行動すると決めることのつながりがあるのだと思います。

あなたの振り返りや反省、自己分析は、どのくらいの決心や覚悟を持って行われているでしょうか。
作業としての振り返りか、三昧としての振り返りか

以前、「作業」と「三昧」の違いという記事で、何をしているかだけでなく、どのように向き合っているかについて書きました。私が捉える三昧は、目の前の一つに心を向け、その行為に入っていくことです。

同じ振り返りでも、「振り返らなければならないからやる」のと、「次の結果を本気で変えるために向き合う」のでは、質が違います。
言い換えれば、あなたのアカウンタブルは、「作業としてのアカウンタブル」なのか。それとも、「三昧としてのアカウンタブル」なのか。
振り返っているのに変わらないと感じたときには、原因をさらに深く分析する前に、次の問いを自分に投げかけてみてもよいのかもしれません。
「私は、何のために振り返っているのか?」
「私は、考えているのか。それとも悩んでいるのか?」
「次の結果を変えるために、何をするのか?」
そして最後に、「私は、本当にそれを成し遂げると決めているのか?」
振り返りとは、過去を見るためだけのものではなく、未来の行動を変えるためのもの。私は、そう考えています。
今日の振り返りを終えた後、あなたが実際に変える一つの行動は何でしょうか。
振り返りの先の、一つの行動へ
何度も振り返っているのに、同じところで止まってしまう。初回オリエンテーションでは、その一つの場面からお話しいただけます。何を変えたいのか、次に何を選ぶと決めたいのか。ご自身の言葉で確かめる時間にしてみませんか。
自分の価値観、習慣、生き方や人生の方向性を見つめたい方。 申込画面で選び直すこともできます。

