人の得意なことは見えるのに、自分の強みを聞かれると言葉に詰まってしまう。特別な実績も、誰にも負けない能力も思い浮かばない。そんなふうに感じることはないでしょうか。

私は、強みを探すとき、自分の生い立ちの中で繰り返し起こってきたことや、興味を引かれるもの、ときめくものを振り返ってみてほしいと思っています。

大きな成果を探す前に、これまで自分が何に心を動かされ、どう行動してきたか。その具体的な場面に、手がかりがあります。

繰り返してきたことを、場面で書き出す

「私の強みは何だろう」と考えるだけでは、抽象的で答えが出にくいかもしれません。まずは、子どもの頃、学生時代、仕事を始めてからと、時期を分けて思い出してみます。

何度も引き受けてきた役割は何でしょうか。頼まれていなくても、つい手を伸ばしていたことはあるでしょうか。周囲から、繰り返し頼まれたり、喜ばれたりしたことはないでしょうか。

たとえば、友人の話を聞いて一緒に考えることが多かった。集まりでは、いつも段取りを考えていた。気になったことは、自分で調べずにいられなかった。

この段階では、立派な強みの名前をつけなくて構いません。「誰と、どんな場面で、何をしたか」を一つずつ書き出してみてください。

同じ「話を聞く」でも、相手の気持ちが気になるのか、話の筋道を整理したくなるのか、次にできることを考えるのが好きなのかで、見えてくるものは違います。行動の中身を思い出すことが大切です。

また、繰り返していることが、すべてそのまま強みとは限りません。役割上、無理をして引き受けていた可能性もあります。「自分からしたかったのか」「終えた後にどう感じたか」も、そばに書いておくとよいでしょう。

興味やときめきも、消さずに残す

私は、興味を引くものや、ときめくものもリストアップすることをお勧めしています。

まだ上手にできないことでも、気づくと調べている。人の話を聞くと、もっと知りたくなる。機会があればやってみたいと思う。そうした心の動きにも目を向けてみます。

たとえば、初めて知る仕組みにわくわくするのか、人が一歩踏み出す場面に心を動かされるのか、ばらばらの情報が整理されると楽しいのか。何に反応しているかまで言葉にしてみてください。

今の仕事に役立つかどうかだけで選ぶと、自分の関心を狭く捉えてしまうことがあります。すぐに成果や職業へ結びつけようとせず、まずは並べてみるのです。

ただし、「好きだから、すでに得意なはず」と結論を急ぐ必要もありません。ときめきは、これから試したり、育てたりする方向を知る手がかりにもなります。

過去に繰り返してきた行動と、今、心を引かれていること。この二つを並べると、共通しているものや、これから確かめたいものが見えてくるかもしれません。

検査と対話で、自分の見方を広げる

私は、クリフトンストレングスを受けることも強くお勧めしています。自分では言葉にしにくい特性を考える、もう一つの入り口になるからです。

Gallupの公式説明では、このアセスメントは才能の傾向を把握し、自己理解や目標に向けた活用につなげるものとされています。結果を読むときは、自分の経験と照らし合わせてみてください。

「この説明は、あの場面に近い」「こちらは、まだ実感がない」。そうして確かめることで、名前を知るだけでは終わらない振り返りになります。

一人では気づきにくいところを知るには、鏡のように関わるコーチからのフィードバックも大切です。人から見えたことと、自分が感じていたことを重ねることで、新しい気づきが生まれることがあります。

まずは今日、繰り返してきた行動を三つ、興味やときめきを感じるものを三つ、書き出してみませんか。これは、正解を出すための試験ではありません。自分を知るための材料集めです。

手がかりが見えてきたら、次はその強みを、何のために使いたいのかを考えてみてください。

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当たり前だと思ってきた経験を話す

自分では強みとして数えてこなかった経験にも、手がかりがあるかもしれません。初回オリエンテーションで、自然に続けてきたことや、人からよく頼まれることをお聞かせください。一人で自己分析するのとは違う、対話の中での振り返りを体験していただけます。

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